ここまでのあらすじ
怪我やら雨やら色んな悪条件が重なったものの、
ランも半分まで経過!チームメンバ全員とすれって勇気りんりん。
残り20km!
第十一章:そして宇宙人になる
20km地点で足が痛みだしたので再度ロキソニンのドーピング。
また、エイドで固形物をとると足が動くようになることも発見した。
固形物が胃に入ると、身体が「栄養分がきた!まだ動けるぞ!」と勘違いするらしい。
逆に固形物をいれないと、いくらゼリーなどで栄養補給していても
「エネルギー切れになっちゃうからもう体動かすのやめてくれー」と脳みそが判断するらしく、
足が上がらない。
本当に、びっくりするくらい違いがでるので次回からはしっかり固形物も取るようにしようと考えた。
ここまでキロ7分30秒ペースで走っていたが、残り20kmはロキソニンとおにぎりパワーで
大体6分30秒ペースで走ることができた。
ロングのランでこのペースで走っていると、感覚的には5:30位に感じる。
周囲のランナーも疲労のためほとんどが7分越えのペースで走っており、
ラスト20kmでかなり抜くことができた。
いつもランで抜かれてばっかりだったので、抜く側に回るとめちゃくちゃ気持ちいい。
抜いていると「俺って速いじゃん!」という気持ちになってさらにスピードアップしてしまう。
ザックはいつもこんな感覚で走ってるのかな?と考える。
30kmを過ぎたあたりで、羅王とすれ違う。いつの間にか黒いパーカーを羽織っていた
(後から聞いたら仙人から譲りうけたらしい)。
確かに、雨のせいもあり寒い。一生懸命走っていても、運動による発熱より冷えの方が勝ってしまう。
「ゴールで(会おう)!!」と声をかける。
そのすぐ後に元帥とすれ違う。既に日は暮れており暗闇の中を街灯の明かりを頼りに走る状態だったので
若干見つけづらかったが、ウェアと赤いカーフガードで元帥だと認識。
「最後まで!」と声をかけて走り抜ける(後から聞いたらこの時大分弱っていたらしい)。
皆完走できる!バイクでリタイヤしなくて本当に良かった!!と思いながら
雨でべちゃべちゃになった道を、最後まで走りきる。
ゴール前、商店街を通ると地元民の人たちが皆笑顔で「おかえりなさーい!」と声をかけてくれる。
一人一人に「ありがとうございます!お世話になりました!」と返しながら
無事にゴールテープを切った。
薬の力を借りたものの、今までのレースの中で一番ランで粘れたため、
感じたことのない充足感を得ることができた。
ゴール裏では仙人が待ち構えてくれており、「おめでとぅ!」と声をかけつつ写真を撮ってくれる。
その後、ハグしつつ互いの健闘をたたえ合う。
いつも写真撮ってもらってばっかりなので仙人より早くゴールして写真撮る側に回りたい。
余りに寒いのでトランジションエリアに置いていたウィンブレを着こんだ後、ゴールゲートに戻る。
暫くして、元帥の名前を読み上げるMCの声が聞こえる。羅王を抜いたようだ。
ゴールテープを切った後、仙人ともども抱き合う。
表情を見る限り相当辛かったようだ。
あとは羅王のゴールをカメラに収めるのみ。
羅王の名前が呼ばれるのを待つ。が、中々呼ばれない。
制限時間21:30に対し、この時の時間は既に21:25。
元帥は「羅王はすぐ後ろにいる。ペース的に間に合うはず」と言っていたが、もしかして、間に合わないのか、、、
そのとき、時刻は21:27。羅王の名前が呼ばれる!間に合った!
羅王は号泣しながら走っている!制限時間3分前のゴール!
階段トレの筋肉痛、当日の腰の痛み、薬の飲み過ぎによる気持ち悪さ、
様々なトラブルを抱えてのゴール。よほど辛かったのだろう、嗚咽が止まらない。
でも全員無事で、全員ゴールをくぐれたことに「やったー!」という思いが溢れる。
レース後、打ち上げられる花火を見ながら、皆で写真をとる。
アストロマン(宇宙人)、日本最長距離なレースなのに雨も重なってなかなかハードなコンディションだった。。
この後、自転車を回収してホテルに戻り、宇宙人になったばかりの面々で乾杯(パッケージデザインはねぇさんプロデュース)。
そして、ホテルがものすごく豪華な食事を用意してくれているのだが、、、
疲れすぎて食べ物を何も受け付けない。
口に含んだ瞬間戻しそうで。せっかく作ってくれたのに、ごめんなさい。
一方、他の3人はパクパクとご飯を食べている。まさに鉄人。
こんなところで実力の差を思い知らされたレースであった。。。
。。。もうちっとだけ、つづくんじゃ。