2016年5月22日に開催された、第22回 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンを完走しました。
100kmを走破するのにかかった時間は13時間36分28秒。
これまで一度に走った距離はフルマラソンの42.195kmが最長。
はじめての100kmマラソンでスタートからゴールするまでなにを感じてなにを考え走ったのか。
その記録を残しておきます。
今回はレースの総括です。
第22回 野辺山ウルトラマラソン関連の投稿はコチラ↓
はじめての野辺山ウルトラ、レース手配と準備 ~野辺山100km完走記 その1~
野辺山100km完走のために準備したもの・装備 ~野辺山100km完走記 その2~
ウルトラランナーの朝は早い ~野辺山100km完走記 その4~
トイレを制するものはレースを制す ~野辺山100km完走記 その5~
噂の馬越峠で下半身が悲鳴をあげる。そしてゴールまで。 ~野辺山100km完走記 その7~
野辺山ウルトラの総括。来年は蕎麦を食べよう。 ~野辺山100km完走記 その8~
目次
なぜ完走できたのか
はじめてのウルトラマラソンを完走出来た理由を考えます。
仲間がいたから
一番はコレ。
今回の野辺山にはランニング仲間と総勢10人で臨んだ。
その中には野辺山完走経験を持つメンバも数人いて、
レース前には某会議室で「野辺山対策ミーティング」も開催された。
完走経験者が
- コース上の注意点
- ペース表(1km刻みで目標スプリット、ラップタイムが書いてある)
- 心構え
などを詳しく教えてくれた。
この情報はかなり大きかった。
ペース表がなければ、今のペースが完走可能なものなのかどうか全く把握できなかった。
ここで教えてもらった心構えもレース本番で自分を支えてくれた。
ここで一つ、チームメイトの仙人の言葉を挙げる。
「関門に間に合うかどうかは、関門が判断することで自分が判断することではない。」
この言葉を聞いてからレース中に「もう間に合わない」「もう無理だぁ」とは言えなくなってしまった。
やることもやらずに自分でかってに判断してんじゃねーよ、と。
ロングレースに耐性があったから
ランの最長距離はフルマラソンの42.195kmだったが、
2015年に2回、トライアスロンのロングを経験していた。
1度目は五島長崎 国際トライアスロン。スイム 3.8km、 バイク180.2km、ラン42.2km。
2度目は佐渡国際トライアスロン。スイム3.8km、バイク190km、ラン42.2km。
両方ともゴールまでに14時間30ほどかかっている。
この経験によって「14時間ずーっと動き続ける感覚」はつかんでいた。
(野辺山ウルトラ100kmの制限時間は14時間)。
動き続ける感覚とは、
- 長丁場のときのペース配分(前半飛ばし過ぎない)
- どのような補給食をどのようなペースで摂るのが良いか
- カフェインをどのタイミングで投入するか
- レース後半でも胃腸が食べ物を受け付けてくれるか
- 走り続けるより適度に歩きをはさむほうが自分にはあっている(ウォークブレイク)
- どのあたりに痛みがでやすいか(膝?足首?首?背中?)
などなど。
このトライアスロンロングの経験はかなり大きかったと考える。
自分の身体がどうなるか、なんとなく予想できているので
実際なにか起こっても
- 「あ、やっぱり右膝痛くなってきた」
- 「それをかばって左足首に負担がきている」
- 「レース終盤だとやっぱり食欲わかないなぁ、固形物が辛い」
- 「少し歩いていれば筋力も回復するはず」
- 「この喉の渇きはジェルを短時間で摂り過ぎたせいか。次のエイドで水を多めに取ろう」
というように想定の範囲内なので、精神的な余裕があるのだ。
また事前に痛みやすい箇所にテーピングしておく、といった処置をとっておくこともできる。
今回はテーピングに助けられて痛みがほとんどでなかった。
完走できるイメージしかなかったから
レースの一週間前あたりからワクワク感が止まらなかった。
もともとロングのレースが好きだというのもあるが(自然の中を旅しているみたいで気持ち良いから)、
「完走できるんだろうな~」という根拠の無い自信があったからだ。
- 「日本一厳しいと言われる100kmレースはどんなものか」
- 「前夜祭で野辺山ビール飲みたい」
- 「走る途中どんな風景が見えるのだろうか」
- 「エイドの手打ちそばが美味しいらしいぞ」
と、楽しみなことしか思い浮かばなかった。
レース中、ちょっと辛いときがあったが(42-50kmあたり)
「絶対完走するんだろ、お前(自分)。こんなに歩いてちゃ間に合わんよ。楽しみながら走ろう」
と心のなかで言い聞かせて持ち直すことができた。
もし、レース前に不安なことばかり考えていたら、レース中ふとしたキッカケで
「あ、やっぱり無理だ」と思ってしまったかもしれない(フルマラソンで心折れた経験が何度もある)。
ネガティブよりな自分にとっては自信を持ちすぎるくらいが調度良いようだ。
蕎麦を食べなかったから
今回は、序盤のトイレ待ちで大きく出遅れたため、
終始ペース表とにらめっこしながら走ることになった。
そのため、焦りから絶景ポイントをたくさん見逃してしまったし
(チームメンバがレース中に撮った写真をみて「あれ?こんなところあったっけ?」と思うところ多数)、
野辺山名物の手打ち?蕎麦も食べ逃してしまった。
途中の温泉にも入れなかった(走力的に最初から入るつもりはなかったが)。
40kmを過ぎてからはエイドの平均滞在時間は2分弱だったはず。水分と最低限の食料を食べてすぐ走り始めた。
このおかげで時間的には余裕ができたのだが、野辺山を堪能できなかったという意味で後悔している。
来年エントリーした際には、
景色を今年以上に楽しみ、蕎麦やうどんを頬張って、できれば温泉にも一箇所くらいは入ってやりたい。
そのために走力をあげて、100kmきちんと走り切れる身体を準備しておきたい。
イチゴも食べ逃したので食べなければならない(ブドウは食べた)。
100kmレースにエントリーしたから
当たり前すぎるけど、最後にコレを挙げておく。
100kmレースにエントリーしなければ100kmレース完走することはできない。
買わなきゃ当たらない宝くじ、みたいな表現で微妙だけど。
私は今回、複数の仲間とノリの力を借りて100kmをポチッた。
自分の走力も垣間見ない、まさにノリである。
(ちなみに私のスペックは
・31歳 男
・身長174cm 体重70kg
・月間走行距離 30~80km
・2014年11月に初ハーフマラソン、2015年1月に初フルマラソン
・フルマラソンベストタイムは4時間25分
・ラーメン大好き
と、ランナーとして褒められる部類では決してない。もっと練習しろレベルだ。)
こんな私なので、もし一人だったら「まずは様子見で71kmにエントリーしてみようかな」なんて及び腰になってしまっていただろう。
しかし、今年71kmエントリーして来年100km…とやっていたら一年損してしまう。
もしかしたら今年100km完走できるかもしれないのだから。
個人的には
「71kmにエントリーするなら、100kmにエントリーして71km地点でリタイヤするのと同じだな」
と考えている。
人生は多分短い。
もし自分が「いつか100kmマラソン走破したい」と思うのなら、
そしてその可能性が少しでもあるのなら、迷うことなく100kmにエントリーしよう。ノリで。
とりあえずエントリーして、行けるところまで走ってみれば良い。
今の実力的に71kmまで、と自分の限界を自分で決めてしまう必要はない。
注意点としては、自分の身体の声をちゃんと聞くことができること。
物理的な限界を超えて、取り返しの付かない怪我をしてしまっては元も子もない。
そのためにも普段から体の調子に耳を傾けておく必要がある。
「これ以上はマズい」と思ったらさくっと諦めること。
損切りが遅れると、ほんとうに大事な相場で勝負できなくなってしまう。
あ、「行けるところまで行く」はロードレースの場合の話。
トレイルレースの場合はエイドも少ないし、救護の車も入ってこれないので
限界まで攻めるのはやめたほうが良いと思います。
いろんな人に迷惑がかかりすぎるので。
一人で下山できる力を残しておきましょう。テーピングなどの装備も。
まとめ
今回100km完走できた理由を考えてみました。
私のように体の限界の前に精神の限界がくるタイプの人の参考になれば幸いです。
メダルにもTシャツにも書いてある通り、
SURPASS YOUR LIMIT,
これまでの自分の限界を超えましょう。
=====
編集後記
事務に行ってスイムレッスンの復讐をしようと思うも、身体が重く休むことに。
めちゃくちゃ寝たら結構回復しました。
最近プロテイン飲むのサボっていたのが原因かと。。
一日一新
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