2016/06/19に開催された五島長崎国際トライアスロン大会、
通称バラモンキングに参加してきました。
総距離226.2km(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)というロングレース、
去年に引き続き2回目の出場です。
2016年の五島の旅について回想記を書きます。
13時間かけてついにゴール。
あとはポセイ丼のみんなを出迎えるのだ!
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ランランガンガンゴールまで バラモンキング2016回想記 その12
いま此処にいれることにありがとう バラモンキング2016回想記 その13
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<登場人物紹介>
元帥:トライアスロンチーム ポセイ丼の主宰で絶対君主。
黒い・太い・硬いの三拍子そろった税理士。
仙人:ポセイ丼最速の漢。ウルトラレース8ヶ月連続出走などやることが解脱系。
青い魚が好き。
羅王:ポセイ丼のCFO(Ceif Food Officer)。美味しい食材を嗅ぎつける嗅覚が超弩級。
えぇ。。さん:とにかくスリム。返事は常に「えぇ。。」な中小企業診断士。
ザック:ポセイ丼でラン最速。UKC(薄い・軽い・チャラい)が自慢。舐めた表情を作るのがうまい。
熊:厳密には別チーム。肉厚。
えぇ。。さん最後の追い込み
私がランですれ違った順番は
熊、えぇ。。さん、羅王、元帥。
そのままのペースでいけば次は熊がゴールに飛び込んでくるはず。
そこにふと元帥が現れる。
「げ、元帥!!」
ランの最後ですれ違えなかったので心配していたでひとまず安心した。
話を聞くに、21キロ過ぎたあたりから体調が悪くリタイア、医務室へ急行&点滴となったらしい。
雨予報が外れて晴れたのはよかったのだが、逆に暑さが敵となった。
選手はみんな、熱中症・脱水とも戦わなければならない。
さて、バラモンキングではゴールに男性と女性の1名ずつ、MCがついており
選手がゴールに近づくと
「レースナンバー○○○番、 △△選手!おかえりなさーい!!」
と読み上げてくれる。
熊のレースナンバーを暗記して、MCがその番号をコールするのを待つ。
ゴールの近くに座り込んで、ゴールシーンを動画におさめようとスマホを構え続ける。
だんだん腕がプルプルしてくるが、ゴールシーンは一度しか無い。
熊は今回が初バラモンだからなおさら、勇姿をちゃんと撮っておきたい。
まだかまだか、と待ち構えていると
MCの
「○○番、えぇ。。(実際は本名)選手! バラモンキーング!!」
と叫ぶ声が聞こえる。
「えぇ!?」と私は驚く。
最後にすれ違ったときは、先行する熊と結構差がついていたのに、
先にえぇ。。さんがゴールするのか!! と。
えぇ。。さんゴール!!
予想外の展開に、動画撮影が若干おろそかになってしまった。
えぇ。。さんごめんなさい。
あとから話を聞くと、えぇ。。さんは21kmまで腹痛で思うように走れなかったが、
それ以降復活して、スーパーマリオのスター状態でガンガン飛ばして走ったらしい。
えぇ。。さんのラップタイムを確認しても、
ラン0-21kmが2:50:43なのに対し、21-42.2kmは2:19:13となっている。
まことに美しいネガティブスプリットだ(※)。
※:ネガティブスプリットとは、前半よりも後半の方がペースが速い状態のこと。
えぇ。。さんがゴールテープを高々と掲げる姿を見て感動する。
こういうときに「チームで参加して本当に良かったなぁ。。」と感じるのだ。
なにより、えぇ。。さんは去年ゴールテープを掴みそびれている。
心友である羅王とえぇ。。さんは共に手を繋いでゴールしたのだが、
肝心のゴールテープは羅王に一足(一手)先に持って行かれたのだった。
これが去年のえぇ。。さん。
充足感あふれる笑顔の羅王(左)に対し、えぇ。。さん豆が鳩鉄砲を食らった様な顔をしている。
そんなえぇ。。さん、今年はガッシリとゴールテープをつかめて本当によかった。
えぇ。。さんと抱擁をかわし、健闘をたたえる。
そして、
「ラスト3kmくらいで熊ぬいたから、すぐにくるはず!」
と。
今度は熊のゴールシーンを撮るためスタンバイだ。
熊、シャケを捕るかのようなまくしあげ
えぇ。。さんのゴールから約4分後、熊がゴール。
ゴールテープをなんと下から掴み上げる。
きっと昨冬、川でシャケをとりまくって越冬に備えていたのだろう。
この時の癖がでてしまっているようだ。
改めて写真を見ていると、
表情がややうつろで満身創痍感が伝わってくる。
長時間、己自身と対話しつづけ自分がどこまで進めるのかを試す。
これがロングレースの醍醐味だ。
互いの健闘をたたえてハグ。
ゴール直後のえぇ。。さんと熊でパチリ。
良い笑顔である。
羅王は・・・?
ポセイ丼メンバーで残るは羅王。
すれ違った時の距離感から、完走できるかどうかのギリギリのラインだ。
バイク中に膝痛発生し、ロキソニン5錠を服用。
ラン中にも追加投与したボロボロの体で間に合うのか?
みんなで「いけるか・・・!?」との思いを抱えながらひたすらゴールゲートを凝視しつづける。
制限時間は15時間。時計はすでに14時間50分を超えている。
続々と選手たちがゴールしていく。
ゴール後、その場で倒れてしまう人も。脱水症状か。
時計が14時間55分をまわる。残り5分。
羅王はまだこない。。。。
流石に焦り始める。
それでも
「絶対完走するから!!!」
という、ランですれちがったときの羅王の力強い叫びを思い出し
「彼が絶対完走するといったんだから、絶対完走するはずだ。」
と待ち続ける。
残り3分。ゴールをくぐる選手もまばらになってくる。
みんな、途中の関門に引っかかってしまったのか。
間に合わないと思い、走るのをやめてしまったのか。。
そのとき、MCの声が!
「ゼッケン番号○○番、羅王(実際はは本名)選手!!」
走ってくるおっきな体、間違いなく羅王だ!
時間は14時間57分47秒。ゴールテープを掲げ、雄叫びをあげる!
いろんなトラブルを乗り越えて、制限時間の2分前ゴール。
「絶対完走するから!」は嘘ではなかった。
ほんとうに有言実行にしてしまった。
あっぱれすぎる。
みんなでゴール後の羅王の元に集まる。
熊は大泣き。羅王も大泣き。みんな大泣き。
大の漢がこんなに泣きじゃくることはそうそう無いだろう。
ここにいたるまでどれだけ辛かったのか。
そしていま、どれだけ安心したのか。
その気持が手に取るように分かる。
ありがとう。いま此処にいることができて。
時計は15時間00分を示す。
レース終了だ。長い一日が終わる。
一日の締めくくりに、ポセイ丼で集合写真。
レースの余韻にひたりながら
「ありがとう。いま此処にいることができて。」
とつぶやく。
ポセイ丼がなければ私はココにいなかった。
一つの目標に向かって頑張ることもなかった。
こうやってみんなで励まし合うこともなかった。
今まで30数年生きてきてこれからもしばらく人生が続くのだろうけど、
その途中にこの一コマがあることを誇りに思う。
普段スポーツをしない人からは
「なんでそんな辛いレースでるの?」
とちょくちょく聞かれるけども、
そのときに応じて色々な答えを返すけども、
こればっかりは、この感覚は、経験してみないとわかんないよ。
巨漢2人でゴールを背景に。
そんなこんなでバラモン2016回想記、おわりっ!
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編集後記
男が泣いて良いのは
- 蜂に刺されたとき
- ウ○コを踏んだとき
- 財布を落としたとき
の3つだけなのですが、感動・嬉し泣きは例外です。
来年のバラキンは12時間切り目指しますよ。
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