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トライアスロン初心者のレースデビュー 回想編

トライアスロン初心者のレースデビュー 回想編

2015/3/8に開催された第一回久米島トライアスロンのレース回想記です。

バイク発送などからレース本番までの概要はこちら↓

トライアスロン初心者のレース準備 レースまでの流れ編

トライアスロンデビューでそろえた装備についてはこちら↓

トライアスロン初心者の装備編

共に久米島トライアスロンを戦ったチームメンバの紹介はこちら↓

トライアスロン初心者のレースデビュー チームメンバ紹介編

レース全体を回想しながらの日記なので異様に長くなってしまいました。。。

(6000字超え)

以下は、「である」調で書きます。

レース当日

5:00 起床

チームポセイ丼の朝は早い。

朝の5:00に起床し、レース当日の朝もそれぞれがブログを書き始める。

(飛行機移動中にできる待ち時間や、レース後も、夕食に向かうまでのちょっとした空き時間に

皆がおもむろにノートPCを立ち上げブログを書き始める。

傍から見ればおそらく異様な集団だろう)。

ブログ投稿完了後、私は朝食をとり、

バイクパート中に飲む特性ドリンクを作り始める。

OS-1にショッツ4袋、アミノバイタル1袋、クエン酸粉末少々を

溶かし、DHバーの間に取り付けたフロントボトルの中に注ぐ。

クエン酸をいれたのは長時間運動する際のパフォーマンスを上げるためだ。

全てドリンクに溶かしておくことで、補給時の手間を省くことができる。

6:30 バイク設置

ポセイ丼ウェアに着替え、

必要な物を詰め込んだトランジションバッグを持ち、皆で会場に向かう。

皆、緊張のためか口数は少ない。

会場到着後、バイクラックに張られた自分の番号”175”を探し

その場所にバイクのサドルをひっかけて吊るす。

バイクの近くに

・ヘルメット、サングラス、バイクグローブ、ゼッケンベルト

・バイクシューズ、ランニングシューズ、ソックス、タオル

を展開。

記念撮影用にバイクジャージ(レースでは使わないが)を広げる。

予備の補給食や日焼け止めをいれたトランジションバッグも足下に置く。

準備に怠りはないはずだが、初めてのことで不安になり

何度も周囲の人の様子を伺う。

遠くにはヘルメットやサングラスを被る手順を確認している元帥が見える。

「黒い・太い・硬い」元帥は遠目でもすぐに発見できる。ありがたい。

元帥の様子を見て勝手に安心する。

皆でレース前の写真を撮りウェットスーツを着用。海へ向かう。

7:00 スイム受付&試泳

受付で手の甲にゼッケン番号”175”が刻印される(マッキーで書かれただけ)。

試泳では100m程度を泳ぐ。

50m程度を全力で泳ぎ、心拍数を急上昇させ、

残り50mでゆっくり泳ぎながら心拍をおさえる。

レース開始後のパニック対策である。

7:40 開会式開始

そのまま浜辺で開会式が始まる。

久米島の偉い人がしゃべっているようだが

いかんせん音響設備が乏しく何を言っているか分からない。

もちろん、音響が整っていたとしても、レース前の緊張で

内容を聞き取る余裕はなかったが。

8:00 スイムスタート

円陣を組み、羅王の発声で気合を入れる。

羅王、こういう時の格好よさは異常。

二期生メンバと「やったりましょう!!」と声を掛け合い、握手を交わした後に入水。

スイムが始まった途端に洗礼を受ける。

参加者250人程度が一斉にスタートするため、

混雑した海で泳ごうとすると自分の手が前の人のバタ足で蹴られる状況になる。

左右も他の選手で挟まれて身動きを取ることができない。

ちなみに所々平泳ぎの人がいた。

クロールのバタ足ならまだ耐えれるが

平泳ぎキックには耐えられない。遠回りして追い越す。

途中、ヘッドアップクロール(クロール中に顔をあげて前方確認する)を試みるも

前を泳ぐ人のバタ足でできた気泡と波で十分確認できない。

結局なんども止まって立ち泳ぎしては目印のブイを確認し、焦りながら泳ぐということを繰り返す。

また、沖に向かって泳ぐ際、潮が右方向に流れており

元々右側に曲がる癖を持つ私はどんどん右に流されていく。

コースに戻ろうと左方向に泳ぐと、今度は進行方向に対して真横に泳いでしまい

完全にコースを見失う。

パッと顔をあげた時に周囲に誰もいないとめちゃくちゃ焦る。

自分がどこを泳いでいるのか分からないという状態が一番つらかった。

途中何度も海水を飲み、口の中がしょっぱさでカラッカラになりながらも一週目終了。

一度砂浜に上がって2週目に向かって駆け抜ける。

2週目は最初からコースに張られたロープの傍を泳ぐ。

ロープが脇の下に来るような状態で暫くおよぐ。

こうすると、ヘッドアップして前方確認する必要もないので体力を温存できる(ヘッドアップは体力を使う)。

2週目の途中から波が大きくなる。

丁度息継ぎのタイミングに合わせて波が大きくうねり

体がフワッと浮き上がる。酔いそう。気持ち悪い。

50mほど前方にオレンジ色キャップ&白ゴーグルを被るの元帥を補足。

元帥を追いかけるようにひたすら泳ぐ。

レースによってはスイムキャップを配布されるらしいが、

久米島では各自持参だった。

スイムキャップの色で人を判断できるのでこれはありがたかった。

結局、約56分かけて2kmを泳ぎ切る。

バイクが置かれているトランジションエリアに向かって

砂浜を小走りで移動。

走りながらスイムキャップとゴーグルをウェットのボトムの中に放り込み、

ウェットスーツの上半身を脱ぐ。

ここで一度トイレ休憩。羅王と遭遇。

チームメイトと出会えることでかなり安心する。

9:00頃 バイクスタート

水分補給し、海水を飲みすぎて塩っ辛い口の中をリセット。

ウェットスーツの下半身を脱ぎ、

ゼッケンベルト・バイクグローブ、サングラス、ヘルメットの順番に着用。

ここで、先に準備を終えてバイクをもって走りだす元帥と出会う。

百戦錬磨ということもあり余裕のオーラを放っているように見える。

後光を放ちながらも、こちらに気付いて手を振ってくれる。

元気がでる。ありがたい。

そのすぐ後に羅王もスタートを駆け抜ける。黒王号(バイクの愛称)がデカイ。

本当はこの時点で軽く補給食を取ろうかと考えていたが

胃が飲み物以外受け付けない状態だったので断念。

バイクにかけておいたタオルで足についていた砂を叩き落とし、

裸足のままバイクシューズを着用してバイクスタートする。

バイクにまたがるのはトランジッションエリアを抜けてバイクスタート地点を超えた後。

それまではバイクを手で押しながら小走りで移動。

バイクは22kmを3周回して計66kmというコース。

急な勾配はほとんどなく、初心者に優しいコースだった。

バイクは一番楽しみにしていたパート。

前方を走るポセイ丼メンバに追いつくために最初っから飛ばす。

下り坂では一時的に時速50kmを超える。生身で風を切るのがたまらなく心地よい。

大体7kmあたりの地点でえぇさんを捉え、交わす。

その後羅王&元帥にも追いつき、

しばらく元帥・羅王・私の三人が縦に並んで走行する。

お揃いのチームウェアで並んで走る光景に感無量。

その後スピードUPしてポセイ丼の先頭に踊りでる。

18kmあたりでザックともすれ違う。

スイムを乗り越えた解放感からか、やたらとテンションが高い(笑)

ザックから元気を分けてもらいさらにスピードUP。

ランに向けての補給もきっちり行う。

ちびちびフロントボトルに入れた特製ドリンクを補給し

ドリンクはちょど2週目を終わった頃に飲みきってしまった。

特性ドリンクだけだと味が濃すぎて口内がべた付くので

別のボトルにいれたアクエリアスも随時補給。

2週目後半、40kmあたりの上り坂の途中で右のハムストリングがつりそうになったため

若干ペースを落とす。

太ももの前側ばかり使っていると思っていたら、意外に裏側の筋肉も使っていたようだ。

バイクパートでは久米島の皆さんが随所で声援を送ってくれたので

必死に「あざっす!」と声を張り上げ、軽く手を挙げたりして応える。

こういう応援は本当にありがたい。

無事に66km完走し、トランジションエリアに帰還。

レース中一番楽しいひと時だった。

11:30頃 ランスタート

トランジションエリアでは

ヘルメット、グローブ、サングラスを外して座り込み

「しっとりケーキバー チーズケーキ味」を食べる。

(ジェルばかりで補給をしていると食べごたえがあるものが欲しくなる)。

その後、バイクシューズを脱いで着圧ハイソックスを

履こうとする、、が、未だ足がぬれていてハイソックスが上手くはけない。

着圧ソックスの効果は確かなので、ぜひとも履いて臨みたいと格闘すること約5分。

結局ハイソックスをはくのをあきらめて予備として入れていたショートソックスを履いて

ランニングシューズを装着。

日焼け止めスプレーを足と腕に振りかけて、帽子をかぶり颯爽と本レース中2回目のトイレへ。

その後ランコースに出発する。

この時、ちょうど羅王がバイクを終えてトランジッションエリアに入ってくるのが見えたので

互いに声をかけあう。

今回のレースで最も不安だったのがこのランパート。

最初っから、1kmあたり6分30秒ペースで走り、2時間半弱かけてゆっくり20kmを走る予定で臨んだ。

ポセイ丼の他のメンバはみなフルマラソンサブ4経験者。

ザックにいたってはサブ3.5を達成している。

先日フルマラソンを4.5時間かけてやっとこさ完走した私は

ランでは絶対に勝ち目がないため、なるべくバイクに力を割いて

時間を稼いでおく作戦だった

(チーム内で順位を争うわけではないが、

やはり一緒に出走するとなれば競い合いたくなるものだ)。

いざ走り始めると、心拍数があがり、ゆっくり走っていても収まらない。

バイクで足を使いすぎたこともあってか、足取りも重いし呼吸は乱れるわで四苦八苦。

3kmを走り終えた地点でようやく呼吸が整ってきた。

最初の折り返し地点を抜けて走っていると、

対向車線を走る えぇさん、羅王、元帥と次々にすれ違う。

えぇさんはマシーンの様な正確無比な走りで迫ってきていた。

すれ違う時に「うえぇーい!」と掛け声をかけてもらいながらハイタッチ。

掛け声の中にも、えぇさんの口癖である”えぇ”が含まれている(う”えぇ”-い)ところはさすがだ。

レース中もブレない男、えぇさん。

次にすれ違った羅王は、なにやら様子がおかしい。

水の上を走るエリマキトカゲのようにガニマタになっている。

手招きされたため近づくと、「ももの内側にビンタしてくれ!!」と言われるので

思いっきり叩いて気合を注入。

それを見ていた島民(応援してくれていた)のおばちゃんたちは大喜び。

一気に場が盛り上がる。

その後に今度は元帥とすれ違う。顔には「余裕です」と書いてある。

やはり百戦錬磨のベテランは違う。

バイクの長距離練習の時も、スイムでの2km練習の時も、彼は疲れた表情を全く見せないのだ。

常に微笑を浮かべており、何もなかったかのように普段通り。

ハイタッチを交わして勇気を分けてもらう。

7km附近でついにえぇさんに抜かれる。後ろから「うえぇーい!」と激励してくれた。

えぇさんはマシーンのように正確無比なステップを刻み、どんどん姿が小さくなって、細くなっていく。

いつか抜かれるのは分かっていたが、ちょっと悔しい。

9km附近に差し掛かった時、対向車線にランのエキスパート、ザックを発見。

ランのパートがよほど楽しいのか、遠目から見ても分かる笑顔っぷり。

「よっしゃー!」と言いながらすれ違いざまにハイタッチ。

ハイタッチにも力がこもっている。

「まさに水を得た魚だな」と思ったが、

「彼は水(スイム)が苦手なので何か表現が的を射てないなぁ、、

水を得た魚、酸素を得たザック?」

などと、割としょうもないことを考えながら一人でニヤニヤしつつ走る。

10kmを超えたあたりから右ひざを痛みが襲う。2年前に負傷した箇所だ。

最近調子が良くなかったのでこうなることは予測できていた。

幸い走れない程の痛みでは無かったので、痛みと付き合いながら走り続ける。

18km地点で背後から「みよっしー!」と声をかけられる。元帥だ。

「足大丈夫?ラスト2kmだよ!」と声をかけてくれる。

レースの終盤にも関わらず、いつもと変わらぬ温かい心遣いをして頂けたことに思わずジュンとなる。

やはり、この人かっこいい。

「大丈夫です!先に行ってください、お願いします!」と懇願し、先に行ってもらう。

私のために元帥のタイムを遅くしてしまうのは申し訳ない。

このあたりでは結構、頭がおかしくなっていた様で、

自分でも気づかぬうちに「ひぃ~!へぁ~!」と甲高い叫び声が漏れていた。

気付いたら「あ、俺今へんな声出してた」という感じ。

全然知らない女性ランナーからも「がんばって!」と半笑いで激励されたので

よほど奇声をあげていたに違いない。ちょっと恥ずかしい&情けない。

13:30頃 ゴール

ゴール前に待機していた最愛の妻と合流し共に走りながらのゴール。

一生に一度のトライアスロンデビュー戦についてきてくれてありがとう。

道路脇から飛び跳ねるように飛び出してきた彼女は可愛かった。

とても少し前まで弁当をむさぼっていたとは思えぬほどに(後から知った)。

そして、先にゴールしていたえぇさん、元帥と合流し互いの健闘をたたえ合う。

それから間もなく羅王が、つづいてザックがゴール。

「チーム全員が完走」という感動はすさまじく、

これを書きながら思い出してもちょっとだけ、うるっとくる。

ゴールで記念撮影

ポセイ丼二期生も3人無事にデビュー戦完走できた!

ランを振り返れば他の選手からどんどん追い越されるので精神的に辛いが

仲間とすれ値うたびに元気を分けてもらい、なんとか走り続けることができた。

そして道路わきで一生懸命応援してくれる久米島島民のみんなが温かかった。

おばあちゃんが「がんばれー!」と言ってくれるので

「ありがとうございます!がんばります!」と笑顔で返すと

「ニコォッ」と何とも言えない柔和な表情を返してくれる。

おじいちゃん・おばあちゃんっ子だった私にはたまらない。

なるべく全員に「あざっす!」と応援に対するお礼を返しながら走る。

また、素晴らしいデザインのチームウェアも大変好評で、

道路を歩いていた地元の女子高生が

「え、なにアレ? ポセイ丼? かわいいーー!!」

と絶叫してくれた。

思わずわざわざ振り返ってガッツポーズを返す。「お前の方が可愛いよ」と心の中でつぶやく。

別のタイミングでは、おばあちゃんがユニフォームをみて

「ポセイ丼ってなにかねー?」と話しかけてくれる。

ランで息も切れ切れの中、「チームっす!チーム名!!」と必死に叫んで返すと

「あぁ、なるほど!がんばってね!!!」と返してくれる。

こういうやりとりがあるお蔭でランの辛さが緩和される。

本当に、本当にありがたい。

私一人ではトライアスロンにチャレンジすることもなかったし、

仮にチャレンジしても完走することは厳しかっただろう。

チームのみんな、支えてくれる家族、温かい応援をくれる地元の方々、

みんなに「ありがとう」と言いたくなったレースだった。

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今日は長々と書いたので明日要点をまとめて終わりにします。

もうちっとだけ続くんじゃ。

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編集後記

レースを思い出しながらムフムフ書いていたら6000字超え。。。

これでも色々端折ったのですが。

レース中もブログに何を書こうかなー、と考えたりしながら走っていました。

一日一新

市民会館