2015年6月14日に”バラモンキング”こと五島長崎国際トライアスロンを完走することができました。
長崎五島に乗り込んでからの一連の流れを回想していきます。
(「ですます調」ではなく、「である、~だ」調で書きます)。
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関連投稿はコチラ↓
バラモンキング2015 の記憶その2 トライアスロンレース当日の食事や補給食について
バラモンキング2015 の記憶その3 トランジションバッグについて
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周回が終わってからが辛い
(画像ソース:http://gototri.com/ , 以下同様)
バイクは周回コースを抜けてからがつらかった。
エイドの数も少ないし、執拗に上り下りが繰り返される。
「もうすぐ仙人に会えるはず!」と自分の精神と足をだましだまし進む。
と、最後のすれ違いゾーンで仙人と再会することができた。
この時点で15時は過ぎている。
スタートの7時から8時間は経過しており精神的にも疲弊してくるのだが、
仲間と会えることでめちゃくちゃ元気になる。
バイクももう少し!
お尻も股も限界に近かったので、最後の方はサドルの先っぽに恥骨をひっかけるようにして走っていた。
横から見たら、お尻にサドルの先端が突き刺さっているように見えただろう。
このスタイル、意外にペダルに体重が乗って、良い。
バイクフィニッシュ&ランスタート
バイクコースも終盤に差し掛かり、景色が街並みへと変わる。
最後までなだらかなアップダウンに苦しめられつつ、なんとかバイクフィニッシュ。
時計を見たら15:38だった。スイムアップしてから7時間4分経過している。
トランジション早く済ませれば6時間台行けたな、と後悔。
運営を手伝ってくれている学生さんにバイクを預け(ありがとうございました)、
トイレを済ませ、ランバッグを受け取り着替えのテントにはいる。
バイクシューズ・ソックスを脱ぎ、
足の指にタップリワセリンをつける。その後で着圧ソックスを着用。
着圧のため履くのに少し時間がかかるが、42km持たせるためにしょうがない。
ワセリン多めだったことも効いて、するっとソックスが履ける。
ここでラン用の補給食をトライウェアの背中ポケットに詰めなおし、
トランジションバッグにいれておいたアミノバイタルゼリーを開けていざ走ラン!とテントを出る。
足が痛い。
足の裏が痛すぎて、走れない。歩くのもつらい。
バイクで体重をかけすぎていたのか、クリートの形に足の裏が陥没してるんじゃないかってくらい痛みと違和感があった。
↓画像の、シューズの裏についている黄色い部分がクリート。ペダルとシューズとを固定する。
制限時間の22時まで、残り時間が約6.5時間あったので楽勝だと思っていたが、この足ではかなり絶望的。
それでも、とにかく前に進まなければ、と2kmくらい歩いた。
すると突然、「ポセイ丼、がんばれ!」と知らない選手から声をかけられる。
青いウェアの長身の男性だ。ポセイ丼というチームを知っているらしい。
彼は既にランの一週目を終え、二週目をスタートしたところのようで、速い。
追い抜くときに、
「足が重いのすぐにとれるから!楽になるから!」
と激励してくれた。
このおかげで、早歩きほどのペースだがゆっくり走り始める。
実際、7,8km走ったあたりから足の裏の痛みや重さは気にならなくなっていた。
この方がいなければ今回の完走もなかった。いつか直接お礼を言いたい。
そして、アドバイスをもらえたのも、ポセイ丼ウェアを着ていたおかげ。ウェアにも本当に感謝。
ランの途中、折り返して戻ってくる仙人とすれ違う。
ペースの上がらない私を見かねてか、「二期生がんばれ!!」と応援してくれる
(後から聞いたが、仙人も膝が壊れて辛かったようだ。そんな状態でも応援してくれるところが泣ける)。
その後、10kmを折り返して暫くして元帥とすれ違う。
バイクのエイドでトラブっているところを見て以来だったので
「よかった!」と叫んでハイタッチ。
そのすぐ後ろに、羅王が続いていた。
羅王もトラブルから不死鳥のごとく舞い戻っている!
すぐさま、えぇ。。さんともすれ違う、が、様子がおかしい。
ランが得意なはずなのに、走りっぷりがえぇさんらしくない。辛そうだ。
バイクで足を使いすぎたのか?
ともかく「えぇさん!」と声をあげてハイタッチし、走る。
ランコース1週目をあと3kmほどで終えようかということろで、
2週目に突入した仙人と再びすれ違う。
仙人は「がんばれポセイ丼!」と叫ぶ。
あとから、「あれ?仙人だってポセイ丼の一員じゃん、がんばれポセイ丼ってなんだ?(笑)」となんだかおかしくなり、笑いながら走る。
ペースは上がず、ずっとキロ当たり8分30秒。
ランコース2週目に入るところで、羅王とえぇさんにすれ違う。
遠くに見える互いを確認し合い、手を上げて激励しあう。
えぇさんが若干復活したように見える。よかった。
それにしても、バイクフィニッシュ時点では結構差があったはずだが、大分詰められてしまった。
ランで追いつかれることは分かっていたが、ちょっと焦る。
23kmあたりで、路肩でストレッチをしていたら元帥に追い抜かれる。
この時、元帥から「ザックがバイクで(関門に)ひっかかった」と聞かされる。
バイクで一度もすれ違わなかったから、スイム2週目に行ったのだな、と推測はしていたが、
バイクで関門とは予測していなかった。
一瞬動揺するも「ザックの分も、最後まで!」と走り始める。
本当はもう走りたくなかったのだが、歩くペースでは制限時間に間に合わない。
25km附近になると、上り坂は歩いて、下りからまた走り始めて、、という感じに。
エイドで元帥に追いつき、数分間並走。
「いやぁ、きついっすわ」
「このレース考えたやつ、アホっすよね(親愛の意味を込めて)」
「このペース配分で間に合いますかねぇ?」
とか話をする。
元帥いわく、このまま8.5分/キロのペースを守れば完走はできそう、とのことでちょっと安心。
というのも、このあたりになると頭が働いておらず、どのくらいのペースで走れば
制限時間に間に合うかさえ計算できていなかったからだ。計算する度に違う答えが出てくる状態(笑)。
エイド後、元帥はペースを上げてたんたんと足を進め、
あっという間に見えなくなる。こういうとこでの粘りが本当にすごい。
26km地点あたりで、再度仙人とすれ違う。速い。
「ゴールで(会おう)!」と叫んでハイタッチ。
30km地点あたりで羅王&えぇさんコンビとすれ違う。
結構ペースが上がっているように見えた。
最後の10kmはカフェインを解禁。
カフェイン入りのショッツジェルを飲み、エイドのたびにコーラを飲む。
コーラがめちゃくちゃ美味い。
コーラを一気飲みしては、次のエイドのコーラを目当てに走っているような状態だった。
この時点で太陽は落ち、周囲は真っ暗。コースに設置された臨時の電灯とエイドステーションの明かりだけが光る。
ここから黙々と走る。自分自身との闘い。
何度も「歩こうかなぁ」と思っては「一度歩いたらもう走れなくなる」と思いとどまり、
途中で、路肩でもどしながら、しゃがみこみながら、それでも走り続ける選手をみては
「この人たちに比べたら俺の辛さなんてカスみたいなもん!」と思いながら走った。
「足を進めれば前に進む」「前に進めばゴールにいつかたどり着く」とぶつぶつ独り言を言いながらのラン。
ラスト3km附近で、背後から謎の音楽が聞こえてくる。
アニソンか?なんか聖闘士星矢っぽい。
「あぁ、誰かが気分転換に音楽流しながら走ってるんだろうなぁ」
速く抜いて楽にしてくれ(背後から音楽が迫ってくると怖い笑)と思いながら走っていると
「HEY! MAN!」
と突然声をかけられる。なんと、羅王&えぇさんだった。
「おぉ!!」と驚き声を上げると
「最強のタッグです(羅王)」
「追いつきましたー。テヘペロ(えぇさん)」
と。
そこからも2人はペースを落とさず、エイドのスタッフ、応援してくれた島民の一人一人に
「今日一日ありがとうございました!」「お世話になりました!」
と声をかけながら走り去って行った。
2人組の背中を見ながら「やっぱこういうときの精神力が違うなぁ、かっこいいわ。」とつぶやく。
と、ここで緊張が切れてしまい、走れなくなった。
これまで走り続けていたのは「羅王とえぇさんに抜かれたくない」という気持ちがあったことに
ここで初めて気づいたのだ。歩いて、たまに走って、を繰り返す。
きっと背後からせまってくる二人がいなかったら、もっと早くに走るのを止めていただろう。2人に感謝。
残り2km。制限時間には間に合いそうだ。
地域住民の皆さんも「時間は大丈夫だから!ゆっくりいいからね!また来年会おうね!」と応援してくれる。
温かい。
残り1km。
時間内にゴールできそうだと分かると途端に思考に余裕ができて、
ゴールシーンのイメージを考え始める(笑)
・帽子は外して、ゼッケンベルトに着けて
・ウェアのジッパーは少しおろして
・ゴールテープを両手で摑んで持ち上げよう
という具合に。
そんなことを考えながら走っていると、ゴールの300mほど手前あたりで
突然「みよっしー!!」と声をかけられる。
ザックだ!!
ザックはそこからゴールの手前まで並走して
「こっちこっち!」とか「もうちょっと!」とか言いながら
写真をパシャパシャ撮ってくれる。
今回、バイク関門のためにランで健脚を披露できず、一番悔しい想いをしているだろうザック。
そんな彼が待っていてくれたことがうれしくて、思わずにやけてしまう。
一瞬涙腺にきたけど、なんとか笑ってごまかしつつ「なにやってんだよ笑」と言うと、笑顔で言葉を返してくれる。
これはまずい。我慢してるんだからやめてくれ。
こういう部分が、彼が彼たる所以なのだと思う。
最後のカーブを曲がり、眩しく照らされたレッドカーペットの前にくると、
ギャラリーが両サイドにずらっと並び、笑顔でこっちを見ている。
軽く深呼吸して、軽く走り始めると、次々に左右からハイタッチを求める手がでてくる。
一人一人の手を思いっきし叩き、「ありがとうございます!」と言いながら
念願のゴールテープを手に。
・・・このあたり1,2分の記憶がない。
ともかくトータル14時間35分19秒で226.2kmを走破。
長々と書いているけど、もう少しだけ、つづく。
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編集後記
レース中はあんなに苦しくって逃げ出したいのに、
レースが終わると「また出たいなぁ」と思ってしまうこの感覚はなんなのでしょうか。
ランを中心に鍛えなおして、もっと良いタイムでゴールしてやりたいっす。
一日一新
新しいハーブティー
きゅうりのツタを結束バンドで固定
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